SQUEEZE MUSIC は、楽曲を分析し、楽曲が選んだムードをもとにドリンクを作り出すジュークボックス型ジュースメイカーです。このプロジェクトにおける我々の役割はプランニングとテクニカルディレクション、そしてソフトウェアの開発です。
2015年に行われた音楽ハッカソン『Music Hack Day Tokyo』。ハッカソンのテーマは「テクノロジーで音楽をハックする」というもの。このイベントにmonopoのメンバーを含む数人の友人同士のチームが参加し、メンバーでラーメンを食べているときに「音楽の味覚化」のアイデアを着想、開発に至りました。SQUEEZE MUSICの試作品は、ハッカソンの期間中の一日で制作されましたが、2016年には試作品に改良が加わり、現在の形が完成しました。
SQUEEZE MUSICは自動的に音楽を分析し、楽曲のムードに合わせてジュースをブレンドする、「音楽」を「味覚」にすることを可能にした世界初のジュークボックスです。このアイデアの背景には「音楽体験の拡張」がコンセプトとして存在します。これまで音楽は、視覚と聴覚には影響を与えてきましたが、SQUEEZE MUSICは味覚においてもそれを可能にしました。SQUEEZE MUSICが作るものはジュースだけではなく、好きな音楽が朝目覚めるときのコーヒーを作り出してくれたり、ライブでアーティストが演奏している曲からカクテルを作り出したりもできます。また、聴覚障害をもつ人に対し、味覚として音楽を提供することや、アーティストが言語無しで音楽を表現することもできるのです。SQUEEZE MUSICは万人に対して「非言語で音楽を体験」することを可能にするプロダクトだと言えます。
まず最初にユーザーはSQUEEZE MUSICのタブレット上で音楽を選びます。それから楽曲とムードを分析し、次の五つの気分の通りに味に変換します。幸せな気分は甘味、興奮は酸味、ロマンティックな気分は渋味、切ない気持ちは塩っぱい味、悲しみは苦味。この分析に基づいてSQUEEZE MUSICはジュースをブレンドしてあなただけの味のドリンクを作り出します。
ソフトウェア制作において、私たちはPHPとJavaScript、Gracenote APIを用いました。ハードウェア部分は秋葉原で見つけたポンプとモーターを使用しています。最も大きな課題はポンプとモーターを音楽のタイミングに合わせて調整することでした。試作品段階ではiPadのソフトウェア上で視覚的なセンサーを使用しました。完璧なタイミングでできるようになるまで違う材料を使い、何度も実験しました。
五感をフルに使って曲を楽しむコンセプトは多くのメディアに取り上げられ、2017年にはmonopo初のグッドデザイン賞を受賞しました。 グッドデザイン賞受賞展「GOOD DESIGN EXHIBITION 2017」、J-WAVE主催のテクノロジーと音楽の祭典「INNOVATION WORLD FESTA 2018」、同局のラジオ番組「INNOVATION WORLD」、日テレ系列「シューイチ!」「スクール革命!」といったテレビ出演を筆頭に認知を広げていきました。国内のみならず、海外でのイベント「GOLDEN MELODY AWARD」にも展示しました。実際に展示・説明をすることで多くのエンドユーザーの心を掴み、SQUEEZE MUSICによる新たな体験は多くの人へ届けられました。
Project Leader
Akinori Goto (NOMLAB)
Planner
Naoya Kudo (Dentsu)
Planner
Yuma Shingai (Dentsu)
Art Director
Hami Matsunaga (Dentsu)
Technical Director & Engineer
Shun Okadamonopo Tokyo
PR
Midori Sugamamonopo Tokyo
PR
Keita Niiromonopo Tokyo